ジェイが用意してくれた首無し死体の尻の穴を堪能すると、わたしは一息ついてあたりを見渡した。ジェイの奴隷小屋を。
その空間は、その人生を彩ってきた者達の記念品で溢れかえっていた。花で飾られた頭蓋骨、乾ききった胸像、目玉や手首が漬けられた広い口の瓶。わたしは、彼がこれらの品で心を慰め、新たな妄想を育む様子を思い描いた。
腐臭を吸って欲望が蘇るのを感じたわたしは、再度若者の死体に手を伸ばした。先程酷使された尻穴は、だらしなくぽっかりと開いていた。その空洞からは白濁した汁がどろりと零れている。自分がやった結果であるにも関わらず、わたしは些か萎え、怯むのを感じた。
それまでずっとわたしの行動を見ていたジェイが、背後から声をかけてきた。「穴ならもう一つあるだろう？」解しかねて振り向いたわたしに、彼は笑いながら自分の喉を指差して見せてくれた。ああ、そういうことか。
わたしは血の気のない首無し死体を抱き起こし、その頸部の断面を検分した。大分萎びて縮まってはいるが、指を入れればその空間は容易に広がった。元々、死んだ少年達の口から喉を犯すのを楽しんでいたわたしだ。切断された食道から侵入しようと、大した違いはないはずだ。
わたしは死体を壁にもたれかけさせ、輪切りにされた食道に挿入するとその肩を掴んで腰を動かした。ゆっくりと、それから激しく。冷蔵されていた死体の粘膜はひんやりとして、わたしは奇妙な心地よさに包まれた。こんな経験はしたことがなかった。これもまた、ジェイと知り合って得られた収穫と言えそうだった。
腰をつかいながらわたしは、この光景を目を輝かせて眺めているジェイに尋ねた。「彼の頭はとっておいてないのかい？」彼は夢から醒めたように瞬きをし、肩をすくめて返答した。「ああ、煮込んで肉を剥がして飾ろうとしたんだけど、色塗りに失敗して捨てちゃったよ」
「それは残念だな」
「どうして？」
「いや、彼の首の断面から挿れて、唇まで犯している所をお目にかけようかと思ったんでね」
わたしの軽口にジェイは笑声を上げた。
「そうだね、そうしたら彼の頭越しに、君の先っぽにキスできたのに」
その声は快かった。
ひとしきり笑うと、彼は一呼吸置いてから素朴な疑問を提出した。
「…でも、それにはちょっと長さが足りないと思うんだけど？」
わたしは彼の来歴だけでなく、観察力にも敬意を払わねばならないようだった。
（了）
いつものんべんだらりとした長文ばかりなので、すっぱりさっくりとした短文を目指しました。その試みの成否はさておいて、何もこんな題材で書かなくてもいいよね。これがこのサイト初のエロ小説かー…。
第九章Ｐ246あたりの、奴隷小屋での首無し死体破壊のあたりを、膨らませてみました。首の切断面から挿入はありがちですが、一度はやってみたかった！のです。（バク○ン？）
ジェイ＆アンドリューが登場するエロ小説なのに、やってるのがこの二人じゃないという不思議さよ。彼らは、普段エロ事師のくせに、マジ恋愛になるとお互いオクテさんですから…。原作で、アンドリューがジェイを掘った一回しかエロってないと明言されているので、原作の隙間を埋める方向の二次創作では、彼らのエロ話は書けない罠。
そんな彼らの純情さが可愛くも、妄想家としては悩ましくもあります。ＤＢの主役カップルのお盛んぶりが、羨ましくも見えてきたり。
2006年8月21日