ジェイは寝室で一人、ぼんやりと考え事をしていた。これまではアンドリューと性的な接触をほとんどしてこなかったとはいえ、これからどうなるかは分からない。いざ、彼と性的な関係になったときどうすればいいか、ジェイは予測を立てていた。
ジェイは、酩酊したアンドリューを押し倒す自分の姿を想像した。いや、押し倒されるアンドリューを想像した。強い酒の力に頼れば容易いことだとジェイは思った。ジェイとしては少年達にするよりもずっと優しくしてあげたいが、抵抗するなら手錠を用いることも辞さないつもりだった。アンドリューは嫌がるだろうが、やはり彼には手錠は似合いのアクセサリーな気がしてならないのだ。
抵抗を封じたところで、彼の全身をくまなく愛してあげたかった。色の薄い乳首を舐めしゃぶり甘噛みし、固く尖るのを感じたかった。大きく充血したそれを指で転がし、つまみ、苦しみによるものでない呻きを上げさせたかった。やや皮をかぶっている性器を舌できれいにして、大きく固くなるのを感じ、先端から吐き出される毒液を飲み干したかった。
快楽に力が抜けた、ほっそりした体をうつぶせにして、背骨の山脈に指を滑らし、引き締まった尻をやわやわと愛撫するのだ。もちろん、その狭隘にあるすぼまった穴も念入りに、痛くないように。
ジェイには、アンドリューがこれまでその体に他人を受け入れたことがあるかどうか分からなかった。アンドリューはこう言ったことに慣れているだろうか？それとも自分の背面に関しては初心なのだろうか？本人に尋ねるのも気が引ける内容だけに、ジェイは推測するしかなかった。
結局、慣れていない方でシミュレーションすることにした。慣れていると思ったら初めてだった、というよりも、その逆のほうがまだ対処のしようがあるというものだ。用心に越したことはなかった。それに、慣らすなら彼の所持する、大小様々の玩具やローションでなんとかなるだろう。少なくとも、これまでの少年達は何とかなってきた、とジェイは思っていた。
何より、ジェイはアンドリューの尻穴を賞翫するのが楽しみで仕方がなかった。そこに舌を差し入れたなら、どんな反応を示すだろうか？嫌がって身をよじるだろうか？怒ったように喚き、止めるよう懇願するだろうか？プライドの高い彼のそれを是非耳にしたいものだとジェイは思った。それらを耳に楽しんでから、抗議には一切耳を貸さず、ジェイはそこを指でほぐし、ワセリンをたっぷりと塗って準備をするのだ。
いよいよ、アンドリューの中に入る時が来た。彼は自分を温かく迎え入れてくれるだろうか？もし肉の抵抗があっても、それすら快楽に変換できることをジェイは知っていた。彼はアンドリューの粘膜の温もりとうねり、締め付けを堪能するつもりだった。もちろん自分の快楽だけでなく、腸壁の向こうにある前立腺を見つけ出して刺激し、アンドリューを悶えさせてやりたかった。
そうして共に上りつめて迎える解放の瞬間は、想像するだに何と素晴らしいことだろう。少年達を相手にしている時は、快楽のタイミングを合わせることを鬱陶しく思っていたジェイだったが、アンドリューが相手なら話は別だった。
終わった後は気だるく横たわる身体を抱きしめて、額に頬に、目元に唇に、要するに顔中あちこちにキスを浴びせたかった。彼とエクスタシーを共にして生き延びた、初めての、ただ一人の恋人に。
そして二人は温かな身を寄せ合って、穏やかに眠るのだ。その想像は、ジェイを幸せな気分にした。どんな殺人妄想よりも強烈に、そして優しく温かく。
胸にほの輝く幸福感のままにジェイは、いつかその日が来ることを祈った。
（了）
後書き
攻めジェイ妄想でした。もしアンドリューと性的関係になるとしたら、やはりジェイは自分が攻めのつもりでいるんじゃないかなーと思いまして。
そんな、脳内攻め様を受けにするのがロマンなんですけどね、ヒヒヒ（何）。
2008年9月13日