街の病院に行った僕は、双子の遺体を引き取って葬らなくてはならなかった。
再び一つに繋がった彼らを納めるために、特別な棺が必要だった。
普通の棺に別々に入れるために、彼らを切り離すなどおよそ問題外だった。
彼らはこうなるためにあえて危険を冒し、そして死に赴いたのだから。
母の胎内にあった時のように再び一つになり、共に生き、共に死ぬために。
結局、共に生きることはほとんどできなかったのだけれど。
それでも彼らはあまり気に留めていないのだろうと、僕は思った。
一つの棺に納められた双子の顔は、これまでに見たことの無いほど満たされ、安らかだった。
その表情は、分かたれての生よりも、共にあっての死の方が望ましいのだと、はっきりと物語っていた。
僕は生前の陰鬱で乾いた双子達を思い出して、本当にその通りだと思った。
彼らは白い花に満たされた棺の中で、子宮にいた頃の結びつきと安らぎを手に入れたのだ。
後書き
お題は『Angels』『Lazarus Heart』その他より。ポピーＺ作品に双子キャラがよく出るので。作品は『Angels』より。
重体児として生まれ、誕生時に切り離されるも再びくっつくことを願う双子達は、ラストで再びくっつく手術に成功するも死亡だそうで、それは成功したというのでしょうか。
本人達は再びくっつけてハッピーエンドっぽいので、この作品でも双子達の兄にそう解釈させてみましたが。しかしあの双子の兄って大変そうですな。他の家族もどこか変で、いびつな家族模様だったような。
2007年1月24日