性愛

ジェイはいつも、地元の少年との性行為の後には、何かくすぶるような思いを抱かざるを得なかった。それは彼を返って欲求不満に陥らせた。何と言っても、全ての欲望を解放すれば、相手を殺してしまうのだから。それをするわけにはいかない相手には、どうしても自己を抑制しながら接するより他はなかった。

しかし、そんな性の交歓―めくるめく陶酔とも、宇宙との一体化を成すような忘我とも没交渉な不毛な営みが、一体何になると言うのだろう?ただ、相手の快楽を手伝い、見守るだけの行為に、彼は少年達の排泄を介助しているかのような感覚を覚えるのだった。

彼の手によって達し、白濁した液を撒き散らしてぐったりとした相手を見下ろしても、自分の技で絶頂を迎えた相手に対する愛おしさを抱く以上に、何やら粗相をしてしまった愛玩動物を見咎めるような、気まずさと、諦めに満ちた冷たい怒りばかりが先に立ってしまっていた。要するに、彼にとって地元の少年達との性行為は決して楽しいものではなかった。それは行う前よりも彼の心を冷え冷えと醒ますのであった。

しかし、そんな彼らの写真を撮影するとなれば話は別だった。カメラのレンズ越しになら、彼は少年の痴態を愛しいものとして眺め、満足することができた。それはいずれ、彼の衝動を鎮める役に立ってくれるものになるのだから。そして、彼の妄想を養うものになってくれるのだから。遠からず、生身の少年達が彼の元を去った後に、彼一人で孤独な性の営みに耽るのにそれらは必要とされていた。彼は性行為以上に、その様を撮影することに熱心に取り組んだ。

生きた少年達との心通わない性行為よりも、彼にとってはそちらの方がより充実した、豊かな快楽の一時であった。少年達の無防備な姿を保存して我が物に独占する瞬間、そして、少年達が残した画像を手がかりに、相手が不在のまま彼の頭の中で展開される、彼の思いのままの愛の営みこそが、彼にとっては真実の性愛であった。

後書き

お題はポピーZ作品のそこかしこから。作品はEC。
ジェイと、殺しちゃいけない地元ッコ達のそれは、どんなにか寒々しい性の交歓であろうかと思いまして。地元ッコにとっても信用してない相手だし、ジェイにしても、欲望を解放しきれない相手ですし。

それなら写真の方がマシとなると、それってどこのミスターオナニスト(by電脳オブラアト)ですか、という感がありますが。

2007年2月25日