『In Vermis Veritas』より、語り手のウジ虫先生。
フランシス・ベーコンの言説を引用したりと、博識な蛆虫様でいらっしゃいます。
…当方、読んでいてしばらく、語り手を人間の殺人鬼か何かと勘違いしていたことをここに白状します。
この話、蛆虫先生がずっと人間の腐肉の色やら味やらについて講義してるという話なのですが、
腐汁を啜ることでその持ち主の知識や経験を得るというあたり、
ECのジェイにも見られたカニバリズムの呪術的発想が生きてますなぁ。
昨日更新した絵は何だかテーマが変わってしまったので、改めて。
短編『Self-MadeMan』のジャスティン（すみれ色の目）と、
ECのジェイ（ミントグリーンの目）を対比させてみました。
ジャスティンの目の色に関する記述を読んで、
「こいつとジェイを並べてぇええ！！」と滾ったものでして。
二人とも、ブロンド美青年にして人食いの殺人鬼キャラなのです。
…モデルが同一人物（ジェフ○ー・ダー○ー）なので、創作上の双生児のようなものでしょうか。
でも目の色はある意味反対な、変化の付け方が素敵。
耽美かつゴージャスナイズドされてるジェイに比べると、
ジャスティンはアパート暮らしだったり働いてたりと、
よりモデルに近いキャラ造形がされてます。
かたやロサンゼルス、かたやニューオーリンズと離れていたため出会えませんでしたが、
彼らが出会っていたら意気投合できたでしょうか？
いや、その前に殺し合いか。
ジェイにとってジャスティンは…人肉料理の情報交換ができて、
その点ではいい友達になれるかもしれません。
でも、生きたまま食べられて喜んでるあたり、
ジャスティンもまたジェイと同様に「Ｓかと思ったらＭでした」なキャラと思われます。
やはり、ジェイとのカップルとしての相性度は、
真性どＳのアンドリューには叶わないか。
以前、ジェイを牡蠣化だの何だのしたときに
「異類婚姻譚は萌え」等と申しましたが。
どうやらポピーＺ神も同じ魂を持ってるらしいことが判りました。
それは、短編集『Are You Loathsome Tonight?』収録の「King of the Cats」というお話です。
「ゲイのためのお伽話」をコンセプトに書かれたというこの話、
猫好きで貧しい美少年と猫の王様のラブストーリーなのです。
黒猫（金目）姿のちゃわゆい王様も萌えですが、
金目黒髪黒肌黒ずくめのナイスガイになっての再登場にエキサイト。王様ー！！
ラストもハッピーエンドで安心。
いやまさか、ポピーＺ読んでて男同士の異類婚姻譚が読めるとは思いませんでした。眼福。
また一段、私の中での神度アップしました。
短編もチェックしてよかったー。
ほのぼの話かと思ったら、エロ激しくて鼻水吹きましたが。
普通、お伽話ではエロシーンは流すか省くかすると思うんだけども。
異種間の雄同士の交尾を詳細に書いてこそポピーＺか。
『Wormwood』の洋書を買って読んだらば、
案の定というのも悔しいですが、
日本語訳されてるの以外さっぱり話が判りません。
猫に小判、カワイに洋書。
薄ぼんやりとわかりかけてきたのは、
『Angels』『Footpints in the Water』くらい。
両方、双子の話なのは偶然か何のデスティニーでしょうか。
この絵は、そんなわけで鋭意解読中の『Angels』のイメージ絵です。
重体児として生まれて切り離され、
再び一体になりたがる双子の話…だと思います。
この話だけではありませんが、
ポピーＺは他者と離れることの不安や、
一体化への欲望を書かせるとギラリと輝きますな。