昨今のポピーＺ熱にまかせて、ネット上の本屋で『Lost Souls』愛蔵版（2002年）を購入しました。追加要素があるという話がもう気になって気になって。買わないで気になり続けるよりは買ってしまおうと。
そして、読んだ感想はといいますと。
…買って良かった〜〜〜！！クリスチャンスキーとして切実に！
危ない危ない、ＥＣ後書きでこの愛蔵版の存在知らなかったら…そしてネットで勇気出して注文しなかったら…少しの行き違いで、危うくこれ読まずに人生終えるかもしれないところでした。巡り合わせに感謝。いや、そもそもＥＣを知ったきっかけは、ＬＳの批評を求めてのネット検索だったので、ＬＳから始まりＬＳに帰還したことに。それもまたデスティニーでしょうか。
ちゃんと説明しますと、「完成版『ＬＳ』からは削除された部分」（"Lost Chapter"from Lost Souls）という文章が掲載されてまして、それがクリスチャン好きにはたまらん一品だったのです。私だけが見ている愉快な夢でないことを祈るほどに。
その前段階版の内容を要約しますと。ジラー達吸血鬼御一行がニューオーリンズにお引っ越ししてからの話。完成版ではクリスチャンは無職になってますが、この前段階版では以前のお店を再度開いて、お金を稼いでいるのです。
ニューオーリンズに帰ってきて数日、再開した「クリスチャンの店」には常連客も戻ってきて、クリスチャンは再びバーテンダー稼業に明け暮れる灰色の日々を送っていた。以前と違うのは仲間達という色彩の存在。その日最後の客を送り出して、ふと外を見ると、不安そうに店の様子を窺っている少女がクリスチャンの目にとまる。それは、ミッシングマイルからニューオーリンズまで、ジラーを追ってやってきたアンだった…！…という話。要は、再開したクリスチャンの店にアンが来たってだけで何でこんな文章量が要るのか自分。要約下手でスミマセヌ。
そしてこの後、クリスチャンがどうするかと言いますと…疲れ切ってボロボロのアンを保護して、休ませてあげるのですよ！自分の部屋のベッド（一個しかない）に！居候してる仲間達の猛反対やらジラーの嫌みやらを全てはねのけて！！
…おお、優しいわ強いわでグレートすぎるだろうこのクリスチャン！うはーどうしよう惚れる。「アンが追いついてきたら保護してやろうと、クリスチャンは自分に誓っていた（意訳）」に胸が熱く。私の中の全米が泣いた。あ、アンタいい人すぎるよクリスチャーン！こんな気だてのいい吸血鬼見たことありませんわ。
しかしその後の文章読むと、ナッシングの述懐で「クリスチャンは、仲間達がアンを追い出すのは許さないだろうけど、自分がアンを殺すのは大目に見てくれるだろう」というのがあり困惑。え、なんで？ナッシングが美少年だから？アンタどんだけナッシングLoveなんですかこのショタコンが。
ああ、アンを追い出したら、店前でストーキング行為やらして騒ぎを起こす可能性が高く、吸血鬼達の生活を脅かす恐れが有るけど、家出娘だしひっそりと殺す分には大した騒ぎにもならずにすむ、ということか。…ナッシングもクリスチャンの考えを「奇妙な、冷たいモラルの刻印」と評してましたが、確かにそうですな。流石長老吸血鬼は道徳観が特異であります。
しかし一時だけでも、彼が疲労困憊していた娘に安全と休息を与えてあげたのは事実。それもものすごい四面楚歌の中。そして、アンの命を救うことはできなくとも、その種蒔いた奴が一顧だにしない（憎）腹の中の子供を、今度こそ自分で面倒見てやろうと決意してたりもし。…クリスチャン…（涙）。そんなにナッシング手放したことを悔やんでたのか！クリスチャン×ナッシング（逆も可）的にも美味。
その後、仲間達がどーすべ、と困っているところにゴーストがアンを回収に来る、という展開で、この前段階版は終了。特にオチもなく。ゴーストとジラーの会話が途中で更に削除されてよくわからないなどグダグダ感は否めず、やはり完成版の方が話のまとまりは良いのでしょうが。
しかしこの前段階版を読んで、より一層クリスチャンへの愛が増した当方がここにいます。読めて良かったー！ありがとうポピーＺ。それ以前に、クリスチャンというキャラを生み出したことに関して一生涯感謝を捧げたく。
本筋に関わらない部分では、ナッシングの未来の酒豪ぶりを楽しみにするクリスチャンも可愛くて良いです。でもそうなったナッシングはもう、アンタの好きな美少年の姿では無いと思われますがそれでもいいんですかね。
他には、仲間達がアンについて困ってウダウダしてる（クリスチャンは睡眠中）ところに、外からドアをノックする音が！一体誰が？という場面での、
ナッシング「クリスチャンの友達じゃない？」
ジラー「あのヤローにそんなもんいやしねーよ」
という会話が憎くも笑い。ちくしょう反論できねぇな。
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2006年5月5日