ネット通販で買った"THE DEVIL YOU KNOW"を読みました。"THE DEVIL YOU KNOW"は、ポピーＺが2005年に出した短編小説集であります。
その中の表題作に、若ジェイたん＆ジェイたんのパパとママが登場する、というポピーＺ公式サイトの情報に煽られてつい購入。萌えは勢いが大事。本筋は別にあるようなので、若ジェイたん萌えに期待したら負けかなぁとも思いつつ。
で、その感想はといいますと。本筋の悪魔と猫については、まだ頭に「？」が飛び交ってる状態ですが、ジェイたんファミリーについての新情報には、思うさまニヤニヤできました。ビバ！萌え主導の英語読解力。ええ私、"Blood and Gold"も、マエル出るとこ以外は全く読めてません。愚。
まず、ジェイたんパパこと、ライサンダー一世さんは大変だなぁ、という感想を抱きました。ＥＣの少ない情報では、外に愛人たくさんつくって家庭を顧みない人、というイメージでしたが、今作では…独自の風習を持つ地方に婿入り？したばっかりに、その地方独特のイベントの切り盛りで神経をすり減らし、その家庭はというと、妻はまともな会話が成立しない程の酔っぱらいで、息子は大事な行事すっぽかして飲み歩くは、珍しく素面で家にいると思ったら、すぐに自室に引きこもってとりつく島もない、というデストロイドぶり。うわぁ。パパ頑張れ。
ほんの少しですが、若ジェイたんも見られて嬉しく。期待通りのジェイたんらしさで、勝ちましたぞ！（何に）はっきりと何歳とは書かれてませんが、飲み歩いてるあたり、そして地の文で「boy」と書かれてるので、十代後半でしょうか。
今作ではまず、両親の頭痛の種として紹介されてます。なぜ両親が困っているかといいますと、ジェイたんが…年頃の良家の子息として、これまた良家の令嬢をエスコートして参加しないといけない、上流階級の社交界の大事な行事をブッチして（激死語）飲んだくれてたから。
おかげで相手の令嬢の家はカンカンに。そりゃそーだ。両親の社交界での活動にも支障をきたしそうで、ママはパパに愚痴りっぱなし、パパも息子の挙動に頭を悩ませている、とのこと。
えーこのエピソードを読んで、ご両親＆相手の令嬢とその家族には悪いながら、ジェイたんらしいなぁ、と笑ってしまいました。パパゴメン。行事＝親の面子＜酒。栴檀は双葉より芳し。
ECで抱いた疑問、「ジェイたん、上流階級同士のおつきあいとか上手くできてんのかな？」にも、明快な答えが与えられましたし。
「答え：できてねぇできてねぇ。ていうかする気がねぇ。」
名家がもたらす財産や、豪邸の快適さは享受しつつ、その家の者としての義務を果たす気は2ミリもないという、ジェイたんらしいマイウェイっぷりに涙が出そうになりました。ホントいい性格してるなぁ。
そして、その後、対話不可能なアル中ママの寝室から出て溜息ついてるパパと、階段でばったり遭遇する、という形で若ジェイたん本人が登場します！数行ですが。関係ないけど、家に螺旋階段があるという描写に、この家の金持ちっぷりを再確認。スゲー。
パパとの会話も見られて良かったですよー。なんせＥＣでは既に故人でしたから。ライサンダーパパ。パパの言動の端々に、息子とどう接したらいいやらの迷いが見える気がしますが、幻覚でしょうか。父子の会話の時間を作ろうと誘ってみるも、ジェイたんのそっけない「疲れたから寝る」に撃沈。パパ…（涙）。
また、この時のジェイたんの様子はかなり不審であり、何の後の帰宅なのかが気になるところです。
登場時の、パパと遭遇した時の様子が「瞳は異常に見開かれ、歯をガチガチ言わせている」という状態で、その様子を見たパパに「酒飲みすぎたんじゃないか？」と心配されるも、その日は酒は飲んでない、との本人の言で、実際、ジェイからアルコール臭はしなかったという記述。じゃあ何ですかそのガクブル状態は。
そして、ジェイたんのシャツの襟には、血のシミが付いているとの記述が続き。…ちょっと一犯罪犯してませんか、つか一体何を殺ってらっしゃったんですかジェイぼっちゃま！ＥＣの記述からしても、もう殺人始めてておかしくない歳ですし。あわわ。そりゃパパとの長い会話は避けたいところですわ。そして、そりゃ疲れるわい。
苦労人パパに飲んだくれママ、そして社会的引きこもりかつ殺人鬼な息子。そんなジェイたんファミリーにまるっと萌えることができ、またしてもポピーＺに感謝。
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2006年5月30日
追記・若ジェイについて「何歳とはっきり書かれてない」と上で書き、それは間違ってませんが、小説の冒頭に、時代は「1985年」に設定されてると思いっきり書いてありました。1993年（ＥＣの時代設定）に27歳のジェイは1985年には……19歳ですね。「boy」という記述に、もう少し若いかとも思ってましたが、21歳のトランも「少年」と書かれるポピーＺワールドなので無問題でしょう。
そして、16歳くらいから殺人してるジェイなので、この作品での登場シーンも、殺人後の帰宅でも特にオカシクはありません。…自宅以外で死体をどう処分するかは謎ですが。
そして、このジェイが女の子との約束すっぽかすという話は、ジェイのモデルのダーマーが、高校の卒業パーティーで女の子との約束すっぽかして、マ○ドで時間潰していたという逸話にインスパイアされたものではないかと考えております。どうでしょうか。
2006年7月2日