独断と偏見で選考した、神曲内の名言集です。引用は平川訳より。
地上のこと以外を思う人こそ真に廉直な人と呼び得るのではないだろうか。
天国から地球を見下ろしたダンテの述懐より。別に天文学者になれと言ってるわけではなく、精神性も大事にしようってことだと思います。
「おまえらの事物はおまえらと同様みな死ぬのだ、ただおまえらの命が短いから長く続くものが死ぬのがおまえらにはわからないまでの話だ。」
カッチャグイダの台詞より。諸行無常。そーいやダンテは兼好法師とほぼ同時代の人ね。
こういわれても、星や宇宙が死ぬことってスケールでかすぎてイマイチ想像つかないんだよな…（2008年7月3日）
だが血統の誉れよ、実際おまえはたちまち縮む外套だ、だからもし日々になにかをつぎ足さなければ時が鋏でそのまわりをたちまち刈り取ってゆくだろう。
これ、諺にもなってなかったっけ？記憶違いか？なんにせよ、高貴な血筋が高貴なままでいられるかは子孫の行い次第ということですな。
現世で死に、天上で生きることを嘆く人があるとすれば、永遠の雨のさわやかなさまを ここの上でまだ見たことがないからに相違ない。
光以外の視覚描写に乏しい天国篇ですが、ここの叙述は美しいと思いました。あの世も結構いいところ？
「良し悪しをいうにせよ是非を論ずるにせよ 細かい判断もなしに肯定否定を行う者は 愚か者の中でも下の下たる者だ。」
アクィナスの台詞より。アクィナスの口を借りた、ダンテの自身の戒めととっていいでしょう。
「理解しても頭にとどめておかなければ、学問となりません。」
ベアトリーチェの台詞より。下の台詞とも併せて見ると、なんだか家庭教師のお姉さんみたい。
「実験こそ人間の学芸の流れの変わらぬ泉なのです。」
理系の話してる時のベアトリーチェの台詞。理系の人々の喝采が聞こえてきそうです。